こんにちは。アシスタントの中村です。
今回は入社して約1年経ったので振り返ってみようと思います。
この一年は私にとっていろいろ経験した年になったので振り返れたらなと思いこの記事を書こうと思いました!
一年を通して
この一年は、本当に一瞬のようで、でも振り返るととても長く感じます。
入社した春は、とにかく緊張していました。新しい環境、新しい人間関係、新しい技術。毎日が「初めて」の連続で、失敗しないことだけを考えていました。周りを見る余裕もなく、ただ必死に先輩の動きを目で追いかけていました。できない自分が恥ずかしくて、早く一人前になりたいと焦る気持ちばかりが先走っていました。
夏になる頃には、少しだけ環境に慣れてきました。お店の流れも分かるようになり、任せてもらえることも増えてきました。できることが増えたのに、不安は消えませんでした。むしろ、「できると思われている」ことが怖くなる瞬間もありました。
秋頃になると、自分の未熟さをより具体的に感じるようになりました。技術の差、判断力の差、経験の差。それまでは漠然と「自分はまだまだだ」と思っていただけでしたが、何が足りないのかが見えるようになってきました。それは成長でもあるけれど、同時に苦しさも伴いました。分かるからこそ悔しい。分かるからこそ落ち込む。そんな気持ちを何度も味わいました。
そして冬。気づけば一年が終わろうとしています。入社当初の自分と比べると、できることは確実に増えました。でも一番変わったのは、「できない自分との向き合い方」かもしれません。前はできないことが怖かった。でも今は、できないことがあるから伸びるのだと思えるようになりました。不安がなくなったわけではありません。ただ、その不安を“成長途中の証”だと捉えられるようになりました。
一年を通して感じたのは、成長は急激に起こるものではないということです。劇的な変化はなくても、小さな積み重ねが確実に自分を変えていく。その連続が、この一年でした。
そして10ヶ月が経ちました。振り返ってみると、本当にあっという間で、気づいたら時間だけが先に進んでいたような感覚です。毎日が必死で、目の前のことをこなすことに精一杯だった日々が、少しずつ積み重なって今があります。
入社当初は、不安しかありませんでした。初めてのことだらけで、何をするにも緊張していました。シャンプーひとつとっても、力加減は合っているのか、声掛けは大丈夫か、失礼はないかと、頭の中は常にフル回転でした。これまで関わることのなかった幅広い年齢層のお客様と接するようになり、言葉遣いや距離感の難しさにも戸惑いました。美容師は技術職ですが、それ以前に「人と向き合う仕事」なのだと、働き始めてすぐに感じました。
美容師という仕事は、良くも悪くも“差”が見えやすい職業だと思います。できることが増えていく人、テストに合格して次のステップへ進んでいく人。その姿を近くで見るたびに、焦る気持ちが生まれました。「自分は大丈夫なのかな」「置いていかれていないかな」と不安になることもありました。技術職だからこそ、成長のスピードが目に見えてしまう。その現実に、何度も心が揺れました。
それでも、入社直後の自分と比べると、確実に変わったことがあります。知識は増え、できる技術も少しずつ増えてきました。最初は意味も分からなかった専門用語が、今では自然と理解できるようになっています。シャンプーやカラー塗布、ヘルプに入るときの動きも、以前より落ち着いてできるようになりました。
しかし、知識が増えたことで、今まで感じなかった疑問も増えました。「なぜこの薬剤を使うのか」「なぜこの順番なのか」「この施術は本当に髪にとってベストなのか」。分かるようになったからこそ、分からないことも増えていく。頭がパンクしそうになることもあります。でも、それはきっと、少しだけ視野が広がった証拠なのだと思います。
教育を通して
先日、教育でウィッグを使ったストレートパーマの施術を行いました。薬剤の強さによって仕上がりのツヤ感が大きく変わり、同時に髪へのダメージも変わります。薬剤選定の難しさを、改めて実感しました。また、アイロン技術も仕上がりを大きく左右します。ほんの少しの角度や力加減で質感が変わる繊細な技術です。「ただ伸ばせばいい」というものではないと身をもって感じました。
ウィッグでの施術とはいえ、薬剤選定を任されたときは緊張しました。髪の状態を見極める力がまだ十分ではない自分にとって、「この薬で本当に大丈夫かな」という不安が常にありました。強すぎればダメージにつながり、弱すぎれば伸びきらない。正解が一つではないからこそ、判断が難しいと感じました。
実際に塗布している間も、「これで合っているのかな」と何度も考えました。アイロン操作も同じです。ほんの少しの力の違いでツヤが変わる。角度がずれれば質感が変わる。思っていた以上に繊細な技術で、改めてストレートパーマの奥深さを実感しました。仕上がりを見たとき、安心と同時に「まだ足りない」という思いが湧いてきました。
でも、この“まだ足りない”という感覚は、入社当初の不安とは少し違っていました。最初の頃は、何が分からないのかも分からない状態でした。ただ漠然と怖い。今は違います。自分の足りない部分が具体的に見えるようになってきました。薬剤の知識がもっと必要だと分かる。アイロンの安定感を上げたいと分かる。つまり、課題が見えるようになったのです。
それは、少しだけ前に進めている証拠なのではないかと思うようになりました。
ストレートパーマの技術は、ただ薬を塗って伸ばすだけではありません。まず大切なのは、髪の履歴を正確に読むことです。過去にカラーをしているのか、ブリーチ履歴はあるのか、ダメージの出やすい部分はどこか。根元と毛先では体力が全く違います。同じ一本の髪でも、状態は均一ではありません。その差を見極めることが、薬剤選定の第一歩だと感じました。
今回使用した薬剤も、アルカリの強さや還元剤の種類によって反応のスピードが変わります。放置時間を長くすれば伸びるという単純なものではなく、軟化の見極めが重要でした。触ったときの弾力、指通りの変化、毛先の柔らかさ。ほんの少しの違いを感じ取る感覚が必要だと痛感しました。
そしてアイロン工程。温度設定一つで質感が変わります。高温にすれば伸びは出ますが、その分負担も大きい。低温すぎればツヤは出てもクセが残る。さらに、スライスの厚み、テンションのかけ方、プレスの圧。均一に熱を入れなければ、仕上がりにムラが出てしまいます。根元はボリュームを潰しすぎないように、毛先は丸みを残すのか、ピンとさせるのか。デザインを意識した操作が必要でした。
特に難しいと感じたのは、“力を入れすぎないこと”です。しっかり挟もうとするほど、無意識に圧が強くなってしまう。しかし強く挟めばツヤが出るわけではなく、逆に硬さが出てしまうこともある。均一なテンションで、一定のスピードで滑らせる安定感が求められました。
また、ストレートは“やり直しが効きにくい技術”だと実感しました。一度ダメージが進めば元には戻らない。一度折れ跡がつけば簡単には消えない。その責任の重さも感じました。
仕上がりを見たとき、ツヤは出ているけれど、もっと滑らかにできたのではないか。根元の立ち上がりは適切だったのか。毛先の柔らかさは十分だったのか。技術を細かく振り返る視点が、以前より増えていることにも気づきました。
ストレートパーマはシンプルに見えて、実はとても理論的で繊細な技術です。薬剤の知識、毛髪科学、熱のコントロール、そしてデザインの意識。そのすべてが重なって、やっと一つの仕上がりになる。今回の教育を通して、その奥深さを改めて感じました。
また、お客様との関わりの中でも、考え方が変わった瞬間がありました。以前は、「早く技術を覚えたい」「できることを増やしたい」という気持ちが一番でした。でも、実際にサロンワークに立ち続ける中で気づいたのは、お客様は“技術だけ”を求めているわけではないということです。
緊張して来店される方もいれば、ただ静かに過ごしたい方もいます。たくさん話したい方もいれば、そっとしておいてほしい方もいます。同じ施術でも、その人によって求めているものは違います。その空気を感じ取る力が、技術と同じくらい大切なのだと気づきました。
「美容室に来る理由」は、人それぞれです。髪を整えたいだけではなく、気分転換だったり、自分へのご褒美だったり、誰かに会う前の準備だったりします。その背景を想像できるかどうかで、関わり方が変わるのだと思います。
アシスタントとしてできることは限られているかもしれません。それでも、声のトーンや表情、ちょっとした気遣いで安心してもらえることがある。その積み重ねが信頼につながるのだと、少しずつ感じられるようになりました。
一方で、「向いていないかもしれない」と思ったこともあります。技術の壁にぶつかったとき、自分の不器用さに嫌気がさしたこともあります。周りがスムーズにできていることが、なぜ自分は時間がかかるのだろうと落ち込む日もありました。
でも、そのたびに考えます。本当に向いていないのか、それともまだ途中なだけなのか。今はまだ“完成形”ではないだけで、積み重ねの途中なのだと信じたいと思うようになりました。
この経験を通して、私は一つ大きなことに気づきました。技術とは、“できるかどうか”だけではないということです。どんな髪質なのか、どんな履歴があるのか、どんな仕上がりを求めているのか。それを総合的に判断して選択する力が必要なのだと分かりました。
アシスタントとして働く中で、もう一つ考え方が変わったことがあります。それは、「自分は何を大切にしたいのか」という視点です。以前は、とにかく早く技術を身につけたい、周りに追いつきたいという気持ちが強くありました。でも今は、技術だけではなく、お客様がどんな気持ちで来店されているのかを考えるようになりました。
緊張している方、不安を抱えている方、ただリラックスしたい方。お客様によって求めているものは違います。美容室に来る理由も、「髪を整えたい」だけではありません。その人にとっての“美容室の意味”を想像することが、少しずつできるようになってきました。
その一方で、期待されることへのプレッシャーを感じることもあります。技術職として成長を求められ、結果を出すことが当たり前とされる環境の中で、「向いていないのかもしれない」と思ったことも正直あります。
最後に
9ヶ月という時間は、まだまだ短いかもしれません。それでも、この期間で私の考え方は大きく変わりました。技術を身につけることだけが成長ではない。悩み、疑問を持ち、考え続けることもまた成長なのだと思います。
技術職だからこそ、結果がすべてのように感じてしまう瞬間もあります。それでも、この一年で学んだのは、結果の前に積み重ねがあるということです。そしてその積み重ねは、誰にも見えないところで続いているということです。
不安がなくなったわけではありません。むしろ知識が増えた分、悩みも増えました。でもその悩みは、何も分からなかった頃の不安とは違います。今は「分かりたい」「もっと良くなりたい」と思えているからこその悩みです。
これからも迷うことはあると思います。周りと比べてしまう日もあるかもしれません。それでも、誰かのスピードではなく、自分の歩幅で前に進みたい。そして、技術だけでなく、人としても信頼してもらえる美容師でありたいと思います。
一年間の経験は、まだ完成ではありません。でも、この期間で感じた葛藤や努力は、きっとこれからの自分の土台になります。未熟さを隠すのではなく、向き合い続けること。それが今の私にできる一番の成長だと思っています。
この一年で学んだのは、不安があるからこそ考えるということです。迷いがあるからこそ、立ち止まって振り返ることができるということです。
入社当初の私は、「できないこと=悪いこと」だと思っていました。でも今は、できないことは“伸びしろ”だと考えられるようになりました。できないと気づけること自体が、少し前に進めている証なのだと思います。完璧ではなくてもいい。遠回りでもいい。大切なのは、自分から目をそらさないことなのだと、この一年で知りました。
技術を磨くことはもちろん大切です。でもそれと同じくらい、自分の弱さと向き合うことも大切なのだと感じています。うまくいかない日があるからこそ、うまくいった日の嬉しさを知ることができる。悔しい思いをするからこそ、次はどうしたいかを考えることができる。その繰り返しが、少しずつ自分を強くしてくれているのだと思います。
これから先も、壁にぶつかることはきっとあります。自分の不器用さに落ち込む日もあるかもしれません。それでも、この一年を乗り越えた自分なら、また考え、悩み、前に進めると信じています。まだ自信満々とは言えませんが、それでも「続けたい」と思えている自分がいます。その気持ちを大切にしながら、一歩ずつ進んでいきたいです。
この一年は、自信をつける一年ではなく、“自分と向き合う一年”でした。未熟であることを恐れず、迷いながらでも前を向くようにします。